ジャンプ力を高めるには?

これはとても難しい問題です。ジャンプカがどうしたらつくかという研究は、かなり昔から行こなわれています。たとえば、若い人を集めて3群に分け、それぞれ異なったトレーニングを3ヵ月間続けるという実験がありました。1番目のグループには垂直跳びだけ、2番目はバーベルをかつぐスクワットだけ、3番目はジャンプと同じ姿勢で、地面に対して最大の力を出すというアイソメトリックのトレーニングだけをさせました。

3ヵ月後、一番伸びたのはどれだと思いますか?

答えは1番。この結果でいくと、ジャンプ力を高めるなら、ひたすらジャンプをするのがベストということになりますね。

でも、これではつまらない。ということで、次の実験では、1番目のグループはひたすらジャンプだけ、2番目はジャンプとスクワット、3番目はジャンプとアイソメトリックを行なわせました。今度はどうなったか。最も伸びたのは2番でした。

このことから、トレーニング法を一つしか選べないならジャンプだけ。でも、一番いいのは「複合トレーニング」。つまり、基本的な筋力トレーニングをした上で、実際にその筋肉をうまく使って跳ぶ練習を組み合わせればいいというわけです。難しい問題と言いながら、答えはなんだか単純ですね。

複合トレーニングをやった上で、さらに決定的にジャンプ力を伸ばしたいなら、プライオメトリック・トレーニングが最も有効だと思います。これは「筋肉が短縮する前に素早く伸張すると、より大きな力が発揮される」という効果を利用したもの。台の上から飛び降りて瞬間的に切り返し、即座に飛び上がるようなトレーニングで、伸張 ー 短縮サイクル(Stretch-Shortening Cycle…SSC)トレーニングとも呼ばれます。筋肉をギュッと引き伸ばして、パっと短縮させるトレーニングを繰り返すことで、筋肉にブースターをつけるような感覚で、ジャンプ力を高めることができるわけです。

ただ、いくらブースターがつくとはいえ、当然、無制限に高く跳べるわけではない。確かに理論的にはジャンプ力の上限はありませんが、垂直跳び1mジャンプするのは大変です。一般的な体型の人の場合、両足で地面を押す力が600kgぐらい出せないとムリ。バイオメカニクスの分野では、ヒトの平均値は60cm、世界記録は160cmですが、1m以上の垂直跳びは、おそらく人間の限界に近いと思います。でも計算上は80cmぐらいなら鍛えれば誰でも跳べる高さです。できるだけ高く跳びたいという人は、80cmを目指して頑張ってください。

※資料引用