「筋感覚」とは?
筋感覚とは筋肉の中にある感覚器による感覚受容のこと。「筋肉は感覚器」と言っていいくらい、私たちの筋肉の中にはたくさんの感覚器があります。
その中で、昔から研究が進んでいるのが「筋紡錘」。筋肉の長さを感受する自己受容器で、筋肉が伸びた時に「引き伸ばされた」という信号を中枢に向けて送る役目をしています。また、筋紡錘に対して「腱紡錘」という感覚器もあって、有名な解剖学者の名前を取って「ゴルジ腱器官」とも呼ばれています。
一方、筋肉にはさまざまな化学物質を受容する「化学受容器」もたくさんあります。これらの多くをまとめて「侵害受容器」とも言います。外から危害が及んだことを感知する感覚器という意味です。
たとえば、肉ばなれを起こすと痛い。ケガをして細胞の中からいろいろな物質が出てくると、侵害受容器がそれらを感知して「痛い」という感覚を起こしているのです。警報装置のような役目を果たしてくれているわけです。
さまざまな研究によって、侵害受容器から脳に信号が伝わると、全身的な反応が起こることもわかってきています。筋力トレーニングをした後に、成長ホルモンの分泌が起きるのもその一つ。激しい運動の後、筋肉の中に代謝物が溜まってくると、乳酸や水素イオンが侵害受容器を刺激する。すると侵害受容器が脳に信号を送り、脳から脳下垂体に信号が伝わって、成長ホルモンなどが分泌されるのです。
筋肉の動きそのものに比べて、筋感覚はまだ解明されていない部分も多いのですが、私たちの筋肉にとってなくてはならないものだと言えます。
※資料引用
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