「超回復」って何?
超回復というのは、じつは正式な理論として使われている言葉ではありません。
トレーニングをすると筋肉は疲労します。その後、筋力が落ちたままでは困るので、だんだん回復していきます。しかし、疲労→回復という過程を繰り返しているだけでは、筋肉が強くなることにはなりません。ここで、「回復した後には前よりも強くなるというフェーズがあるはずだ」という仮説が出てきます。実態はわからないけれども、きっとあるはずだ。ということで、疲労→回復によって前のレベルを超えることを超回復と呼んだわけです。
しかし、実際に超回復を見た人はあまりいません。特殊な条件でトレーニングをして、そのデータを追っていくと、たしかに超回復が現われることはあります。ただ、普段やっているようなトレーニングで現われるかというと、ほとんどわからないのが実情です。ましてや一回のトレーニングで目に見えて筋肉が強くなることはありえません。
今日のトレーニングで100kg上がった。明日と明後日は回復期で、明々後日になると超回復して105k上がるなんてことはないんですね。調子が良ければ102・5kgぐらいは上がるかもしれない。でも、3〜4日後に必ず超回復がくるというのは幻想に近いと思います。ごくわずかな超回復が起こり、その積み重ねで徐々に強くなっていくと考えた方がいいでしょう。
やり慣れているトレーニングなら、2日後には回復が終了する場合もあるでしょう。しかし、慣れない特殊なトレーニングをした後は、完全に回復するまでに10日~2週間ほどかかることもあります。トレーニングから何日あければ回復するかというのは、一概には判断できないのです。ただ一つのヒントとして、回復期には筋肉の中でタンパク質の合成レベルが高くなります。栄養素として摂ったアミノ酸を合成して新しいタンパク質をつくり。筋肉を太くしようとするからです。その合成は48〜72時間後ぐらいまで続きます。そこでおそらく筋肉の修復・合成が一段落すると考えられます。超回復が起こっているとしたら、その時でしょう。
回復期はパフォーマンスが低く、そこで激しいことをやっても筋肉を太くするためには効果はありません。同じ部分の筋肉を鍛えるなら、最低48~72時間はあけた方がいいということですね。
※資料参照
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