筋肉の仕組み
筋肉は主に筋線維でできています。筋線維の特徴は細胞が巨大でありこと。ひとつの細胞が40〜100μmで、長さは10cm以上になるものもあります。なぜこんなに大きくなるかというと、「筋芽細胞」という小さな細胞がベタベタと融合して、一つの長い線維状の細胞をつくっているからです。その細胞がたくさん集まった筋線維は、何百戸も入っているマンションのようなもので、維持・運営がひじょうに大変。細胞の栄養補給、太さや大きさの調節、エネルギーのやりくりなど一つの核ではまかないきれないので細胞の中には核がたくさんあります。それぞれが分業しあって大きな細胞を維持しているのです。ですから一つの筋線維でも、端の方と真ん中の方では状況が違ったりすることもあります。
それだけ大きなものを苦労して維持していますから、一つの細胞が死んだだけでも被害は甚大。普通の細胞は傷つくと死んでしまい、新しいものと入れ替えるシステムになっていますが、筋線維の場合はちょっと壊れただけなら、その部分だけを補修するという情報システムが働きます。壊れた部分が補修することによって、そこが以前よりも太くなるのです。
例えば格闘技で打撃を受けると、打たれた部分の細胞に傷がつき、普通の細胞なら死んでしまいます。しかし、筋線維は打たれたところを修復して強くしていくのです。ですからトレーニングをして痛めつけるほど、筋線維は強くなっていきます。ただし、激しいことをやり過ぎと死んでしまう(壊死)こともありますので、そこまで追い込まないようにしないといけません。筋線維が粘り強く回復するところでトレーニングをやめて、それを繰り返していく必要があります。※資料参照
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