
インナーマッスルって何?
一般的に「外から触れない筋肉」と定義されています。その中でもエクササイズの分野でインナーマッスルと言うと、体の深いところにあり、姿勢の維持や関節のポジショニングのための筋肉を指します。パワフルな運動や大きな動きをするための筋肉ではなく、関節が正しい位置で動くようにキープしたり、立ったり座ったりという姿勢をキープするために働いている筋肉です。最初は肩の外旋筋群というインナーマッスルが注目されました。これは、野球のピッチャーがボールを投げる時に使う内旋筋と逆の働きをする筋肉。肩を内旋する動作では、大胸筋と広背筋という上半身の大きな筋肉が共同して働いているので、ものすごく強い力が発揮されます。その分、肩に負担がかかるので、肩関節が抜けたりしないように外旋筋群が関節をしっかりと支えているのです。その外旋筋群が弱くなってくると、投げるたびに肩のポジションがズレて、最終的に肩を壊してしまう。そこでピッチャーがチューブを引っ張ったりして、外旋筋群のインナーマッスルを鍛えはじめた。それが90年代のはじめの頃です。
その後、骨盤周辺の大腰筋、腸骨筋、脊柱起立筋(多裂筋)、中臀筋などのインナーマッスルがクローズアップされてきました。姿勢や関節のポジションニングをしっかりと保つことで、健康状態を良くしましょうというムーブメントですね。インナーマッスルがしっかり働くと、安静時の代謝も増えることになり、太りにくい体質になって脂肪も落ちやすくなる。そこで「痩せる」というキーワードが出てきて、世間に広まったという側面もあります。
インナーマッスルは、姿勢を正すためにずっと使われているので、日常の中で活動している時間がとても長い筋肉でもあります。立っているだけでも、使われているわけですからね。しかし、本人が意識しにくい筋肉なので、鍛えるのも難しい。いつも使っている筋肉なのですが、いま「大腰筋を使いなさい」と言われても、ほとんどの人はどうしていいかわかりません。まずは、ピッチャーがチューブを引くように、ある特定の動作をすることによって、筋肉の目を覚ますということからはじめるのがいいでしょう。
※資料引用
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