役目を終えた筋細胞は?
加齢とともに筋線維の数が減っていくということは、すなわち筋線維が死んでいくこと。た
だ、筋線維の発生と同じく、役割を終えた筋線維がどんなふうに死んでいくかは、まだはっきりと解明されていません。
現在の有力な説は、「アポトーシス」という細胞の死に方です。これは「プログラム細胞死」とも呼ばれていて、古くなった筋線維が自ら命を絶つことです。傷んだ細胞をそのまま持っていても、病気の原因になることもあり、体にとってはかえって不利な状態になる。そこで「自分は足手まといだ」と判断した細胞が積極的に“自殺”をすることで、健康な体が維持される。細胞にはこのような自殺プログラムがあらかじめ備わっていて、加齢とともに神経や筋肉が減っていくと考えられています。「老兵は消え去るのみ」と言ったところ。
ちなみに、このアポトーシスは運筋線維より速筋線維の方が激しく起こるようです。加齢にともなって数が減っていくのも、速筋線維の方が圧倒的に先です。
また、細胞が死んでいく過程には「ネクローシス」という現象もあります。これは筋線維の激しい損傷によって、アポトーシスが起こる前に細胞が死んでしまうこと。たとえば、筋線維の膜が破れてしまうと、普段細胞の中に存在しないナトリウムやカルシウムが、外からどっと入ってきます。そうなると、タンパク質の分解酵素が一気に活性化してしまい、たちまちのうちに細胞が溶けてしまうのです。アポトーシスが能動的な細胞死とすれば、ネクローシスは受動的な細胞死と言えるでしょう。
では、一つ一つの細胞の寿命はどのくらいなのでしょうか?組織細胞の寿命は、二つのタイプに分かれます。皮膚の細胞や腸の上皮細胞、肝臓や造血組織の細胞は、古いものがどんどん死んでいって、その上に新しい細胞がつくられるので「再生系組織細胞」と呼ばれます。一方、筋肉、神経、心臓などは「非再生系組織細胞」と言って、基本的には再生しないタイプです。つまり、私たちが生まれてから死ぬまで、ずっと同じ筋線維が保たれているのです。それだけに筋線維はひじょうに粘り強い構造をしている。一つの細胞にたくさんの核があり、多少傷ついても部分的な修復で治してしまいます。
とはいえ、生まれた時から一生つきあっていく筋細胞は、いわば家族のようなもの。その役目を終えるまで、大事にしてあげてください。
※資料参照
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