スポーツ心臓ならぬ筋トレ心臓はある?

 まず、スポーツ心臓を簡単に説明しましょう。マラソンランナーなど持久競技で活躍する選手は、心臓が1分間に送り出す血液量(心拍出量)が多いほど力を発揮できます。しかし、心臓が1分間に打てる最大数は、アスリートも一般の人も変わらない。そこで、循環する血液量を増やしてやるために、心臓の容積そのものが大きくなっていく。これが、いわゆるスポーツ心臓です。

 一方で、筋力トレーニングをたくさんやっている人や重量挙げの選手も、確かに心臓が大きくなっていきます。ただ、こちらは容積ではなくて、心臓の壁が厚くなるのです。筋肉が大きな力を発揮して胸部内圧が上がると、「より大きな圧力で血液を送り出す」という課題が心臓に与えられ、壁が厚くなっていく。言ってみれば「心臓も筋トレしている」わけです。

 心臓が大きいのは良くないと言われますが、これは「心臓肥大」という症状のこと。スポーツ心臓や心臓の壁が厚くなるのとは違います。高血圧などが原因で心臓肥大が起こると、心臓が十分な血液を送り出せなくなる「心不全」になる恐れもあり、確かに注意が必要です。でも、心臓の壁そのものが厚くなることが問題になるかどうかは、あまりよくわかっていません。

 単純に言えば、壁が厚くなっても、心臓の筋肉に酸素を送り込む血管系が十分にフォローしていれば問題はないはず。ところが、心臓が大きくなり壁も厚くなった状態のままにしておくと、冠動脈がつまったり、心臓そのものに何らかのトラブルが起きた時に影響が大きいかもしれない。厚みが増した分、血液をしっかり供給するようにサポートしてやらないと、何か問題が生じた時に、より深刻な状況になるという可能性は考えられますね。

※資料引用

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